大地に根をおろし、未来を見つめる 化学物質に頼らない。近道をしない。ぶどう樹、土壌、そして自然の調和。 ワイン醸造の根本にあたる持続可能性当園のぶどう畑は、単なるぶどう樹の列ではありません。世代から世代へと大切 に守り育ててきた、ひとつの生きた生態系です。栽培方法から醸造方法に至るまで、私たちが下す一つひとつの選択は、この土地 への敬意から生まれています。有機栽培を実践し、生物多様性を守り、自然のリズムと調和させながらぶどうを育てています。そうすることで、一本一本のボトルに、今も生き生きと息づき、これからも受け継がれていくこの土地の歴史を込めています。 完全な有機栽培自然を作り変える必要はありません。必要なのは、ただ自然を敬うことです。全てのぶどう樹は、有機栽培によって育てられています。化学肥料は使用せず、化学物質に頼った近道も選びません。堆肥やカバークロップ(被覆作物)によって土壌を豊かにし、土地の生命力とぶ どう樹の健やかな成長を支えるという、古くから受け継がれてきた農法を大切にしています。その結果生まれるのが、この土地の風土の真の声を反映するぶどうです。 化学農薬不使用純粋なぶどうは、生きた土壌から生まれます。私たちは化学農薬や除草剤を一切使用しません。その代わりに、農園に息づく生物多様性や、益虫、健全な生態系のバランスといった、自然そのものの力によってぶどう樹を守っています。時間と手間のかかる農法ではあります。しかし、それこそが土地を健やかに保ち、そこから真のワインが生まれると考えています。 生物多様性を守る私たちのぶどう畑で暮らしているのは、樹だけではありません。農場には養蜂場があり、ミツバチたちはぶどう畑のうねの間を静かに飛び交っています。こうして受粉を助け、生態系のバランスを支えています。そこにはもう一つの恵みも。それは、私たちが自ら採取する蜂蜜です。健やかな畑には、豊かな生命が息づいていることを感じさせてくれる、わずかながらも美味しい贈り物です。 ぶどう畑での循環と再利用何一つ持ち出さず、大地のものは大地に還す剪定枝、果皮、果梗――畑や収穫から生まれるものは、すべて天然の肥料として土壌へ戻します。さらに、私たちが飼育する馬や鶏から出る栄養豊富な堆肥も、この循環に加わります。こうした循環全てが、年を重ねるごとに土壌を健やかに保ち続けています。 水資源を大切にする一滴一滴を大切にする。そして時には、水を使わないことこそが最善の選択です。私たちのぶどう畑の大部分では、無灌漑農法を実践しています。これは根を深く張らせ樹を強くし、本来の凝縮された果実が実るという、伝統的な栽培方法です。水が必要な場合には、雨水貯留タンクに集めた雨水を使用し、自然が与えてくれる恵みを無駄なく活用しています。 環境にやさしいワイナリー設計大地そのものから生まれたワイナリー私たちのワイナリーは、周辺の土地から採取した天然石を用いて造られています。環境に逆らうのではなく、環境と共生するバイオクライマティック設計(気候風土適応設計)を採用しています。また、セラーは地下に設け、地中の自然な冷涼性を活かしています。 当園のぶどう樹は、灌漑に頼ることなく力強く育ち、その根は深く土へと伸びていきます。それは、この土地への私たちの、揺るぎない想いと同じです。